カスタマーサービスのA/Bテストのススメ

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こんにちは。ジェネシス・ジャパンの飯塚です。 今後、このコーナーでブログ記事を書いてまいります。初回である今回のテーマは「カスタマーサービスのA/Bテスト」です。

A/BテストとはWebサイトのLPO (Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)を行う際のテストに用いられる手法です。異なる複数のバージョンのページへ顧客を誘導し、より効果の高いページを決定することを目的とするものです。 これをカスタマーサービス(特にコールセンターの運用)に置き換えてみるとどうなるだろう、と考察してみました。

多くのコールセンターでは、トラフィックの把握(入電数や電話番号から顧客情報の取得)はしてはいるものの、最終的なランディング(オペレータとの接続)にあたっては、効果的に活用しきれていないのが、実状でしょう。 これはコールセンターにおいて待ち時間を減らし、とにかく早くお客様と接続することを目的としているためで、実際に顧客との会話を始めた後に、ミスマッチが判明すると、逆にセンターへの生産性に悪い影響を与えてしまっているのです。

このミスマッチを少しでも解消するために、A/Bテストの手法を採用してみてはいかがでしょうか? 大きなイノベーションを含むソリューションの採用にはなかなか踏み切れない中でも、 日々のカイゼンの中で効果が見込めると考えます。

具体的には、先ず、テスト対象としたい変更ポイントを反映させた、従来とは異なるプロセス・ナビゲーション(Bタイプ)を用意します。 ピックアップした任意のコールフローから一定の割合のお客様をBタイプのフローへ誘導し、一定期間運用を実施します。その結果、従来型フロー(Aタイプ)とどちらが効果的だったか、定量把握が可能となります。 実際の改善テスト例としては、改良されたアップセルやクロスセルを行う対応スクリプトでの対応、IVRのメニューアイテムの増減や並び替え、などが挙げられます。

このように異なるバージョンでの対応における効果測定を繰り返していくことで、 お客様とカスタマーサービスのベストマッチに関する仮説をデータによって 実証していくことが可能となります。

この手法のよいところは、効果を実証しながら改善できることで、サービスを一部の人間が決めるのではなく、そのサービス仕様を実際の顧客に合わせてデザインしていけることです。 ですが、一方、デメリットもあります。 日々の改善だけに目を向けると、漸進主義に陥りやすく、抜本的なイノベーションを考えていくことがおろそかになりがちです。

LPOにおいても複数のページをまたいでテストしていく「トータルエクスペリエンステスト」が新しい手法として注目され、顧客の全ての接点における総合的な「エクスペリエンス」をデザインしていくことがより重要になってきています。 コールセンターやカスタマーサービスにおいても、日々の改善とイノベーション、どちらも欠かせない取り組みですね。

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飯塚純也 (Junya iizuka)

About 飯塚純也 (Junya iizuka)

ジェネシス・ジャパン株式会社 ビジネス コンサルティング部 シニア ビジネスコンサルタント/エヴァンジェリスト。 2005年ジェネシス・ジャパン入社。ビジネスコンサルタントとして、企業がいかによりよいカスタマーサービスを提供できるかを共に考え、その方法を提案している。またカスタマーサービスのエヴァンジェリストとして講演や執筆活動も行なっている。様々な業種業態、そして中小規模から大規模まで、多くのコンタクトセンター、顧客サービスのコンサルティング・設計・構築に携わっている。二児の父。ときどき哲学者。本の虫、ガジェット・文房具好き