オムニチャネル時代の小売業での顧客体験 -Interbrand社レポートからの考察-

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買い物を楽しむ女性グローバル・ブランド・コンサルティング会社であるInterbrand(インターブランド)は先日、「流通分野のグローバル・ブランドランキング2014調査レポート」を発表しました。

当レポートは、Interbrand Design Forumに合わせて制作されたものです。現在のような競合が激しい環境下において、小売業では自社店舗とWeb等のデジタルチャネル部門での競合は避けるべき、という点が非常に印象的でした。
実際に、実店舗をメインに据えた事業を行う小売業でも、デジタルチャネルを使って実現できる顧客体験創出の機会が数多くあります。最終的に小売業は、販路ではなく、顧客中心の視点が必要です。そのことが、適切なタイミングでの適切なカスタマーエンゲージメントをもたらします。

こうしたことを念頭に入れ、レポートの中から小売業界における顧客体験の例を3つピックアップしました。

Level 1:良い例: 顧客の立場にたったシームレスなサービス展開

デジタルチャネルと実店舗運営をミックスできる小売業者は、店舗、オンライン、モバイルショッピングをシームレスに統合したハイブリッドな顧客体験を提供することができます。Macy’s(メイシーズ)はブランドの価値が383%にまで上昇しました。これはInterbrandが調査した北米の小売業の中で最大の上昇率になります。Macy’sは新規のデジタルチャネルユーザーのニーズや行動様式に迅速に応えてきた結果、短期間でオムニチャネル・リテイリングにおけるリーダーの地位を確立しました。Macy’sは、ビーコン(無線標識)を用いたハイブリッドモデルを採用することで、実店舗内でのモバイルでのやりとりをスムーズにし、「オンラインで購入、店舗内で受取り」を実現しています。

Level 2: 悪い例: 店舗が売上げの無いショールームと化してしまうこと

昨今の実店舗が直面している頭の痛い悩みは、「ショールーミング」です。
買い物客は店舗を訪れるやいなやスマートフォンを取り出し、同一製品の他店舗/通販サイトの価格を即座に調べます。彼らは実店舗よりも安価という理由で、欲しかった商品を結局通販サイトやアプリなどのオンラインチャネルで購入します。消費者はスマートフォンで素早く興味のある商品の価格をチェックするため、小売業界は、ますます価格競争が激化してきました。
特に家電製品のショッピングがこの傾向が顕著で、購買前に14ものオンラインの媒体で価格を調べあげます。そして、店舗にいる間に自分たちのモバイルデバイスで比較調査を完了してしまいます。このような「ショールーミング現象」に打ち勝つために、Best Buyのような小売業者は実店舗で取り扱っている商品と、オンライン商品とのマッチングを始めました。これは、より実店舗での売り上げを確保することが目的です。
調査レポートではBest Buyは、「ショールーミング化」を阻止する追加施策として、ship-from-storeや in-store pickup(オンラインで発注したものを店舗で引き取ったり、配送したりすること)、ロイヤルティプログラムといった独自の物流体制、運用体制を整えたと明記されています。

Level 3: 最も避けるべき例: 顧客体験を高める努力が圧倒的に不足

Interbrand は、複数の顧客接点を備えた顧客志向のカスタマージャーニーが、購買客の“お買いもの体験”をより快適でワクワクするものに転換し、ブランド価値を高めるとの見解を出しています。

しかし、アクセンチュアのレポート ”Energizing Global Growth”ではまた、以下の3点を指摘しています。
・ 73%の企業エグゼクティブが過去3年間で消費者行動に際立った変化を感じている
・ 74%は十分にこの変化について理解していない
・ 80%は自分たちの企業が、この変化や機会を充分活用していないと感じている

業界や技術動向に基づいた行動の不足、あるいは店舗スタッフの人員、チャネル間のシナジー、パートナーのナレッジなどが不足することが、現在そして将来も、流通事業者を危機に晒す要素になります。

Interbrandデザインフォーラムの責任者であるDirk Defenbaugh は、次のように述べています。
「実店舗と仮想化店舗を統合することで、買い物が楽になると同時にサービスの質が高まります。その結果、自社の製品、サービスが消費者に支持されるようになり、ブランド価値が高まります。これが定着していくと、購買ニーズが生じたときに指名ブランド買いが起こります。単なるウィンドウショッピングやWeb閲覧ユーザーが、まさに“ブランドロイヤルティの高い購買者”に転換するユニークな顧客体験が起こります。」


ジェネシス・ジャパンでは、日本IBM主催イベント「IBM Software XCITE Spring 2014 」でオムニチャネルに関するテーマで講演を行います。

タイトル: 【N-2】 オムニチャネル時代に求められる消費者起点の顧客体験―購買からサービスまで、シームレスなプロセス統合によるパラダイムシフト
日時: 2014年5月22日(木)14時~14時45分
講演者: ジェネシス・ジャパン株式会社   ビジネス・コンサルティング部 エヴァンジェリスト  飯塚 純也
公式HP: http://www-06.ibm.com/software/jp/xcite/session.html#n-2

お時間のあるかたは、事前登録のうえ、是非【N-2】トラックにお越しください。


出典:Genesys Blog – Retail Customer Experience: The Good, the Bad, and the Ugly

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