ビッグデータは本当に顧客体験改善に役立つ?

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ビッグデータ最近、各種サービスのオンライン・プライバシーポリシーが非常に気になります。

カスタマーエクスペリエンスに関連したものだと余計に気になります。どこにいても、個人データ収集の仕組みやプログラムが予想もしないやりかたで、私たち一般人の生活に入り込んでいるという話を聞きます。しかしながら、データ収集されることを非難する前に、いくつか疑問が沸くのです。

 

  • データを活用することで、私たちの私生活にどのような豊かさをもたらすのだろう?
  • 収集する側は、私たち個人の興味やメリットに応じたデータの使い分けをすべきだろうか?

プライバシーを返せ!

ビッグデータに関する最大の関心事は、自分たちの嗜好データがいつ吸い上げられ、また、そのデータの使途がどのようなものになるのか個人レベルで把握できていないことにあります。たとえ私たちにベネフィットがあったとしても、こちら側にコントロールが一切なく、“データ収集されている”認識が全く無いまま個人データが吸い取られています。さらに悪いことに、この「データ収集」によって自分たちが個人レベルで属性化され、何か予期せぬ出来事が起こるのではないかと不安になります。
私たちは民間企業のセールス部門の恰好のリサーチターゲットとして、統計面で利用されている存在にすぎないのでしょうか?最近のウォールストリートジャーナルの「ビッグデータ」に関するレポートの見出しに、データ収集に関するプライバシーについての議論の記事があり、次の調査データをひきあいに出していました。

  • 2,000回以上: インターネットユーザーによる、一日あたりのオンライン上の行動や振る舞いをトラッキングされる回数
  • 1,205個: アメリカの人気ウェブサイト2,150の中で、Facebookがトラッキング可能なサイト
  • 27.61 USドル: アメリカ女性のFacebook愛好者の推定年間評価額 (男性の場合は、22.09 USドル)
  • 3,000回強: Acxiom社による、アメリカの一世帯あたりのショッピング回数

 データ分析を活用し、優れた顧客体験を

優れた顧客体験の創出につながる、ポジティブなデータの使いかたを見てみましょう。Amazonが成功した原因は顧客志向であった、ということは周知のとおりです。最近の記事によると、このように書かれています。
「Amazonが提供している秀逸な顧客サービスは、非常に興味深いものの一つです。しかし顧客サービスとAmazonが四半期ごとに巨額の売上げを達成できている因果関係は未だわかりません。Costcoや Targetのような類似企業にも、世界に通用する顧客サービスの精神や、それを反映した光景が見られます。しかしながらCostco や Targetの98兆ドルの収益を合計しても、Amazonの後をまだ追い切れていないのが現状です。」

Amazonがこのような競合優位性を保ち続ける理由として、「Amazon.com のCEOであるジェフ・ベゾス配下のあらゆる組織が、過去の顧客サービスの成功、失敗を含むさまざまな経験値をもとに、データ分析およびデータからのシナリオ予測がされているから」と推測します。

顧客データ分析が無いことには、劣悪な顧客体験になりかねない

カスタマージャーニーの広い視点で主要な顧客データを収集しないことには、各タッチポイントでの顧客体験、エンド・トゥー・エンドのジャーニーのいずれにおいても顧客の不満が噴出したり、あるいは魅力の乏しい体験で終始してしまいます。これから述べるのは、実際に顧客が体験した、請求・支払いに関する質の低いカスタマーエクスペリエンスの一例です。この顧客は、支払い期日をきちんと守ってくれる、いわば上得意客です。個人用、会社用の2つのアカウントを作ってくれており、優良顧客とすら言えるかもしれません。
先日この顧客がコンタクトセンターのエージェントと会話をしたのですが、なんと後日、顧客は同じ請求書の件で再び問い合わせの電話をしてきたのです。解決に至っていない問題点の本質は、以下に集約されます。

その1.  IVR(音声応答システム)は、たとえ顧客が以前にコンタクトセンターに問い合わせたことがあっても、「初回問い合わせ」の前提で音声誘導を行います。最近やりとりした内容や問題点についてもIVRでは認識されず、得意客であっても他の一般ユーザーと同等の「一律の応対」を受けることになります。

その2.  顧客はIVRのガイダンスを一通り聞いてから、エージェントと直接対話する選択肢を与えられます。ようやく窓口のエージェントとつながっても、以前コンタクトセンターに相談した課題や内容を電話口のエージェントは把握しておらず、別のエージェントにエスカレーションされます。

その3.  顧客の電話がようやく担当エージェントに転送されると、基本情報をはじめとした、以前既に別のエージェントに話したことと同じような内容を聞かれます。顧客は最初からやり直しさせられている状況に、イライラが募っていきます。

素晴らしい顧客体験を創出するタイムリーなデータ

一方、ビッグデータは目的に応じた活用を行うことで、顧客体験をパーソナライズすると同時に、カスタマージャーニーの創出をサポートし得る存在となります。その結果、顧客体験をより良いものに変革することが可能です。以下は、実現可能な顧客体験の一例です。

その1. 顧客がコールセンターに電話をすると、IVR(自動音声応答システム)が流れます。自動音声は、「ベティ・スミスさんですか?」と聞いてきます。この時点で「はい」とベティが答えると、IVRは、「先日お問い合わせのあった請求内容についてのお電話ですか?」と会話してきます。そしてベティに、「対応可能なエージェントにつなぐので暫くおまちください」と適切な案内をします。

その2. 今回はコールセンター側がベティに不便を感じさせているため、センター側は、対応待ちユーザーの中で優先的にベティに対応を行います。そのためベティの電話は、速やかに請求処理のエキスパートにつながります。

その3. 請求処理のエキスパートは、画面上に入ってきたポップアップで、ベティに関する今回の請求処理および本質的な問題点を把握します(つまり、ベティは今回の問題点を繰り返し話す必要はありません)。請求処理のエキスパートは、ベティにこのたび迷惑をかけたことに対するお詫びを入れ、解決策に向けて前向きな提案や対応を行います。

データはいつ、役に立っている?

このように、カスタマージャーニーにおいて適切なタイミングで個人データが特定の目的で使われるならば、データを収集し活用されることは理にかなっていると言えるのではないでしょうか。これに異を唱えるかたは、ひと昔前にAmazonが実施していた、パーソナライゼーションや個人の嗜好に応じたオファリングの無い、画一的なセールスプロモーションであれば賛成でしょうか?さすがにもう、旧式のやり方には戻れませんよね!

マルチチャネルに対応した、カスタマーエクスペリエンスに関するホワイトペーパーはこちらです。是非、ご一読ください!

クロスチャネルでの顧客サービスを成功させるための課題
http://www.genesys.com/jp/about-genesys/resources/conversation_manager

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