コンタクトセンターの進化:PBXからオムニチャネルへ

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コンタクトセンターの進化:PBXからオムニチャネルへ
昨今のコンタクトセンターは、システム機能の高度化および通信チャネルの発達により、消費者により身近な存在となっています。旅行の予約・変更やモバイル機器関連のテクニカルサポートなど、あらゆる面で私たちはコンタクトセンターを利用しています。

しかし、ふと立ち止まって考えてみると、現在私たちが利用しているコンタクトセンターの概念は、ほんの数十年前まではビジネスとテクノロジーに先見の明を持った人たちの頭の中にある斬新なアイデアにすぎませんでした。その後、コンタクトセンターの進化のスピードはすさまじく、これによって従来の私たちのブランド・エンゲージメントの在り方が変わりました。さらに企業はすべてのチャネルでパーソナライズした一貫した顧客サービスを提供する「オムニチャネル・エンゲージメントセンター」のコンセプトを導入し、常にサービスの改善と向き合う必要があります。

コンタクトセンターの先駆者

もとをたどれば、1960年代半ば、PBXの前身である自動構内交換機 (PABX) を導入したことで、顧客からの問い合わせや注文のようなインバウンド処理を実現するようになったのが、コールセンターの始まりでした。航空会社や通販小売業者などが、比較的早い段階でPABXを採用しました。

加えて、着信呼自動分配装置 (ACD) の登場によって、さらにコンタクトセンターの発展が加速しました。ACDシステムでは、着信をフィルタリングすることで、入電した案件を適切なエージェントに割り当てることができます。従来の交換機のオペレーターを、柔軟性があり、自動でコールフロー管理可能なACDシステムに置き換えることで、最大コール対応件数を大幅に増加させました。

約44年前の話になりますが、ブリティッシュ・ガス社は1972年の時点で、1週間に最大2万コールの処理能力を持つACDシステムを導入しました。現在のコンタクトセンターで1時間に2万件以上の着信は珍しくないという点を考えると、当時からこの技術がどれだけ進化したかがお分かりいただけるでしょう。

改善と革新

さて、1980年代になると、コンタクトセンターは、ずらりとフロアに並んだエージェントがコンピューター端末を使用して顧客に対応するという、現在ではおなじみの様相を呈し始めました。ACD技術の向上により専門エージェントへの着信分配が効率化されたため、着信の待機時間が短縮され、その結果、コールセンターの総対応コール数が大幅に増加しました。同時期にコンタクトセンター拡大の推進力となった要因に、「フリーダイヤルサービス」と「初期のCRMソフトウェアの導入」があります。CRMソフトウェアは、運用の改善に利用可能で、予測および洞察にすぐれた、“即戦力のデータ”を提供するものとして使われていました。

インターネット時代の到来

1990年代に入り、インターネットが爆発的に普及し、TCP/IPをはじめとしたさまざまなプロトコルやネットワークが世界的に進化をとげました。IPベースのテクノロジーの台頭に伴い、コンタクトセンターも大きく発展を続けました。企業はWebサイトを立ち上げ、新しいコミュニケーション手段と、オンライン注文、電子メール、FAQサービスなどのセルフサービス機能 の提供を開始しました。顧客向けのサービスは、もはや営業時間中に電話のみで提供されるものではなくなりました。顧客は24時間態勢のサービスを期待し始め、年中無休のコンタクトセンターが誕生しました。

インターネット・テレフォニーも、90年代を語る上で欠かせない技術の一つです。多くのコンタクトセンターは、コスト削減と柔軟性を理由に、VoIP電話にシフトし始めました。このことが労働力の分散につながり、低価格な「オフショア・コンタクトセンター」というソリューションの提供が可能になりました。

マルチチャネルの課題

コールセンターは2000年代初頭ごろ、真の意味でマルチチャネル対応のコンタクトセンターに変貌を遂げました。顧客は、音声、電子メール、Webチャット、SMSなど、企業とのコンタクト手段を選べるようになりました。これらの新しい、さまざまなチャネルを利用できるようになったことで、顧客は複数のタッチポイントから、迅速で、よりパーソナライズされたサービスを期待するようになりました。

コンタクトセンターの次の課題は、瞬く間に普及したソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でした。企業は顧客と生活に密着したこのサービスにも注意を払う必要が出てきました。FacebookやTwitterなどのチャネルは、新たな顧客エンゲージメントの道を拓いた反面、一人の顧客のネガティブなコメントが拡散することで、企業・ブランドに深刻なダメージを与えることもあります。

複数のセルフサービス/有人対応チャネルの導入により、そのすべてにわたるカスタマーエクスペリエンス(CX)の管理がますます困難になっています。1つのチャネルから別のチャネルへ移行する際には、初めからやり直して要求を繰り返さなければならないため、顧客は不満を抱えることになります。このことが問題を長期化させるだけでなく、顧客の詳細な行動履歴やコンテキスト(文脈)が有効活用できない、というジレンマをエージェントが抱えることにもなっています。この結果、カスターエクスペリエンスは断片化され、顧客は不満を抱え、顧客離反につながり、センターの運用効率は低下してしまいます。

そしてオムニチャネルへ

今日のコンタクトセンターの目標は、複数のチャネルを通じて生成される顧客のカスタマージャーニーを軸に、シームレスで一貫性のある「個客」向けの体験を提供することにあります。これには、マルチモダリティ、オーケストレーション、ジャーニー管理の連携により、より良いカスタマーエクスペリエンスを実現する、「オムニチャネル・カスタマーエンゲージメント」が必要になります。

では、これは実際の生活では、どのようなものになるでしょうか?オムニチャネルの世界では、顧客はまず、モバイル・アプリ経由で製品についての問い合わせをします。さらに詳しい情報を入手するため、次のステップとして企業のコンタクトセンターに電話をかけるかもしれません。企業はアプリ経由で取得した情報によって、顧客の好みや、直近のデジタルチャネルのインタラクション、以前のエンゲージメント履歴といった豊富なコンテキスト(文脈)を持つ熟練のエージェントと顧客をつなぐことが可能です。これにより、よりパーソナライズされたエクスペリエンスを顧客に提供することができます。現代の技術では、音声とデジタル・セッションを組み合わせることで非常にインパクトの強いコミュニケーションが実現できますが、このような立体的な顧客体験の提供が、さらなるパーソナライゼーションを生みだします。このように、顧客を一人の「個客」として扱い、リッチな体験を味わってもらうことで、顧客ロイヤリティを高める試みが可能になります。

このように、コンタクトセンターの進化が今後も続いたとしても、“可能な限りシームレスで満足度の高い体験を提供する”というセンターやCX業界の目標は不変です。一歩進んだコンタクトセンターは、電話と対面の両方で、「モバイルやWeb」と、「パーソナライズされたサービス」を統合することにより、これを実現しています。


オムニチャネル型コンタクトセンターの構築の詳細については、以下をご覧ください。

ベストプラクティスで学ぶ、シームレスなオムニチャネル対応のCX
http://www.genesys.com/jp/about-genesys/resources/seamless-omni

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