デジタル時代の顧客、その先へ(後編)

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Exceeding Customer Expectations in the Digital Age当シリーズブログ「デジタル時代の顧客、その先へ(前編)」では、ボーダコム社の事例をご紹介しながら、急成長するデジタルチャネル、時代遅れのコンタクトセンターインフラを抱える企業が直面する制限や問題、および優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)を提供するための手段についてお伝えしました。

後編となる今回の記事では、今日のデジタルチャネル・ユーザーをサポートするオムニチャネル戦略を策定し、実行する方法について、具体的な実例を挙げて詳しく説明します。

シームレスなカスタマージャーニーの基盤となるインフラ

今日の多くのお客様は、購買や問合せなどの一つのカスタマージャーニーを完了するまでに、いくつかのチャネルを使い、複数の行動を取るようになっています。デジタル、電話のいずれのチャネルにおいてもパーソナライズされた、手間のかからないインタラクションを期待しています。ところが実態は、複数のベンダーソリューションが混在した顧客エンゲージメント・システムで運用されていることが多いため、異なるテクノロジー同士ではシステム連携に限界があり、結果としてチャネルやタッチポイントのサイロ化を生んでいます。カスタマーエクスペリエンス(CX)の改善を検討中の多くの企業にとって、このシステム・アプローチは最も大きな障害となっています。

一貫したオムニチャネル・エクスペリエンス実現のカギは、次世代コンタクトセンターの構築にあると考えます。この手段として、エンゲージメントのさまざまな顧客接点(Web、モバイル、ソーシャル、マーケティング、セールス、フロントオフィス、バックオフィス)を一元化できるソリューションが必要になります。これが、サイロ化された顧客接点から成るコンタクトセンターを、オムニチャネル・エンゲージメントセンターに変えるためのコンセプトとなります。

オムニチャネル・エンゲージメントセンターへの移行は段階的に進めることができます。まずは、古いテクノロジーを搭載したACD、PBXやテレフォニー・インフラ部分を、既存システムと相互運用が可能かつあらゆるチャネル、タッチポイントをサポート可能な統合プラットフォームに置き換えることをお勧めします。このやり方であれば、システム部門の負荷やキーマンの心理的ハードルは比較的低いものになります。

英国の小売業者であるMarks & Spencer(マーク&スペンサー)社では、同社のデジタルチャネルと同社の1,253店舗を連携させる新しいソリューションを必要としていました。130年間、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供し続けてきたこの企業は、あらゆるチャネルをカバーするジェネシスのCXプラットフォームの採用を決定しました。

Marks & Spencerのデリバリーサービス部門責任者、Ian Mahoney氏は次のように語っています。「当社はようやく、すべてのチャネルを統合、一元管理することで、お客様をあらゆる観点から管理、把握できるようになりました。もはやお客様の問い合わせ手段について気にする必要はありません。サポートを受けたがっているお客様にいつでも有効な応答を返せるよう、情熱とエネルギーを注力できます」

オムニチャネル・エンゲージメントに最適なソリューションを使用してカスタマージャーニーを効果的に管理することで、それぞれのインタラクションに必要なコンテキスト(文脈)が得られ、パーソナライズされた一貫性のあるエクスペリエンスをお客様に提供することが可能になります。

パーソナライズされたサービスを、お客様に確実に提供

このような、よりシームレスなカスタマージャーニーの提供に加えて、オムニチャネル・エンゲージメントセンターにはもう1つの大きな特長があります。エージェントが1つのデスクトップ画面で、すべての電話およびデジタルチャネルで発生したお客様とのインタラクションの、エンゲージメントデータなどを総合的に閲覧・確認できることにあります。これにより、パーソナライズの行き届いた、お客様の状況に適切なカスタマーエクスペリエンスを提供できます。

Marks & Spencerに導入された新しいジェネシス・ソリューションでは、コンタクトセンター以外のインタラクションも確認できるため、エージェントは迅速かつ効率的に問題に対処することができます。さらに、同社のWebサイトからの注文も、対応中のお客様のインタラクション履歴に即座に表示されるようになりました。注文の受領確認のためにお客様が電話をかけてくるや否や、このインタラクション履歴が表示されるため、エージェントは速やかに的確な対応をすることが出来ます。

Mahoney氏は述べています。「カスタマージャーニー・マップのあらゆる地点で、エージェントはお客様の一歩先を行き、お客様のニーズに迅速、そしてインテリジェントに対応することができます。ジェネシス・ソリューションでチャネルを一つに統合することで、当社のビジネス全体を完全かつ正確に把握することが可能になりました。サービスを継続的に改善していくためのプラットフォームを提供してくれています。」

ソーシャルメディアへの対応

McKinsey & Companyの調査によると、有名企業の約4分の3は、カスタマーサービスを向上させるためにFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを利用しています。企業ブランドへのソーシャルメディア・チャネルの貢献値、影響力を考えると、これは理にかなった戦略と言えます。これらのデジタルチャネルは確かに認知度向上という意味では有益ですが、世の中のお客様からの評価や、時には不満の投稿内容が企業のフィルターを通らず瞬時に公開されるプラットフォームでもあります。

Forrester Researchの調査によると、お客様の16%は、悪い印象を持ったカスタマーサービスについて、オンラインカスタマーレビュー、ブログのコメント欄、Facebookステータスレポートなど、ソーシャルチャネル上で書き込みを行っています。企業とお客様とのコミュニケーションの多くがソーシャルメディアで開始される、あるいはソーシャルメディアに移行しつつある現在、これらのチャネルはオムニチャネル・エクスペリエンスの一部に含めて考える必要があります。具体的に求められるのは、ビジネスルール策定とワークフローの開発を行った上で、日々お客様のコメントや問い合わせ内容を分析、分類し、優先順位付けを行いながら円滑な対応を図ることにあります。シームレスなカスタマーエクスペリエンスを提供するために、他のデジタルチャネルと同様に、これらのソーシャルメディアも統合される必要があります。

Marks & Spencerが導入したジェネシスのオムニチャネル・エンゲージメントセンター・ソリューションでは、ソーシャルメディア上のコンテンツとインタラクションを顧客レコードの一部として管理することができます。必要に応じてインタラクションを専門の担当者へ処理依頼したり、適切なエージェントに回したりするなど、最初の問い合わせから解決に至るまで完全な可視性を提供します。

デジタルチャネルへ移行するメリット

オムニチャネル・エンゲージメントセンターに移行したことで、Marks & Spencerはこれまでにない収益を確保しました。たとえば、Webチャットは全く新しい取り組みでしたが、パスワードを忘れてしまったお客様、あるいはプロモーションコードが手元に無いお客様をWebチャットを用いてサポートしただけで、注文単価が大きく伸び利益につながりました。実際、このチャット・サービスを有効活用したことで、導入開始後4か月で投資を回収しています。これらの目に見える効果以外にも、電話、Eメール、ソーシャルメディア、SMS、Webチャット、Webサイトなど、すべてのチャネルにおいて、よりパーソナライズされた適切なサービスを提供することで優れたカスタマーエクスペリエンスを提供し続けています。このような新しいチャレンジや工夫によりMarks & Spencerは、大手小売業者として一世紀以上にわたって業界をリードし続けています。

オムニチャネル顧客は、デジタルチャネルのみまたは店舗のみの利用客に比べて、ロイヤリティ、接触頻度、商品保有数のいずれにおいても、高い値になる傾向があります。詳細は、以下資料をご覧ください。


資料ダウンロード「CXを起点にした新しい顧客との関係構築”オムニチャネル・エンゲージメント”とは」
http://www.genesys.com/jp/about-genesys/resources/itkyokai-2016-01

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